10月19日(土)~12月1日(日) 「幽玄なる美の世界 山本正文と詩人たち」 同時開催「山本正文版画工房展」
山本正文は1947年に山梨県中巨摩郡櫛形町(現 南アルプス市)に生まれ、千葉工業大学で建築を学んだ後、1970年の卒業と同時に渡仏すると、その翌年にはバルセロナの工芸応用美術学校版画科で、主にリトグラフとエッチングを学びました。
その後、複数の版画工房で経験を積んだのち、1979年からは自ら版画工房を立ち上げ、カタルーニャの前衛グループ『ダウ・アル・セット』のメンバーや、戦後の第2世代ともいわれるラフォルス・カサマダ、ジョアン・エルナンデス・ピジュアンなど、世界的に活躍する前衛画家や彫刻家たちと版画制作を通して親交を深めながら、バルセロナの現代版画界に大きな貢献と共に影響を与えてきました。それは、パリに版画工房アトリエ17を立ち上げ、作家としても活躍したイギリス人のスタンリー・ウィリアム・ヘイター(1901~1988)の生き様にも共通したものを見出すことができるかもしれません。
彼の工房の活動は作品と共に高い評価を得ながら、1988年のサン・フェルナンド王立アカデミー版画美術館や1992年のメキシコ国立版画美術館での回顧展をはじめ、1997年には郷里の櫛形町立春仙美術館(現 南アルプス市立美術館)や2007年には山梨県立美術館でも特別展が開催されるなど、その活動はやがて世界各地へと広がっていきました。
その一方で、1984年、アルフレッド・シルバ・エストラーダとの詩画集の発行を機に、詩画集の制作にも力を注ぐようになると、ジョアン・ブロッサやヴァエ・ゴデル、ミシェル・ビュトール、イヴ・ボンヌフォワ、アントニオ・ガモネダといったスペインをはじめ西ヨーロッパや中南米を代表する著名詩人たちや、鈴村和成、井上康明など日本の詩人や俳人たちと、次々に詩画集を制作し発表してきました。
本展では、これまでに制作された全28冊を数える詩画集を中心に、彼の50年余りにわたる創作活動の全貌を紹介いたします。
期間:令和6年10月19日(土)~12月1日(日)
入館料:一般320円、大学生260円
*高校生以下・市内在住の65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いは無料
*20名以上団体料金2割引き
休館日:10月21日(月)、28日(月)、11月5日(火)、11日(月)、18日(月)、25日(月)